テルマエ・ロマエ II (ビームコミックス)
紀元2世紀のローマ帝国から21世紀日本へ行き来しながら入浴文化を見つめ続ける建築技師ルシウス。彼の物語の第2巻です。
巻頭を飾る第6話は、時代と国を越えた男 根 崇拝を巡るお話です。
キリスト教文化の浸透によって裸体やセッ クスに関する考え方が大きく変貌を遂げた西洋社会。そしてその西洋社会を追いかけ模倣した明治以降の日本社会。どちらも男 根 崇拝文化は時代錯誤的な過去の遺物と捉えがちなところがあります。
しかし多くの人々が敬意をもって守ってきた文化が、強力な異文明によって駆逐されていくことを「進化」の名の下に正当化できるとも限りません。
この第2巻の通奏低音となっているのが、まさにその伝統と変革の相克です。
ルシウスが剽 窃 した日本の入浴文化はローマの公衆浴場に一大変革をもたらしましたが、その一方で伝統的な浴場経営者たちを大いに悩ませることになったという第10話のストーリー展開はなかなか秀逸です。
ルシウスは「新しい物と同じ位古き良き物は大切にされなければならない…。それがローマの寛容さではなかったか…」と涙を流すのです。
まさに寛容こそが人間社会を支える大きな要素であることを、1900年ほど前の帝国を舞台に描く、ギャグ漫画として読みました。
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sadly, there's no cool dry
アライバル
表紙絵はフェルト帽をかぶった20世紀初頭風のスーツ姿の男性。右手にはこれまた年代物の四角く大きな旅行鞄。彼がおそるおそる見つめているのは、ヒエロニムス・ボスの絵に出てきそうな奇怪な四ツ足動物です。そしてこの表紙絵に掲げられた『アライバル』(=到着)という書名を目にして私は、これが1世紀ほど前の科学知識が未発達な時代に突如現れた宇宙生命体とのファースト・コンタクト物語かと一瞬思ったのです。
しかしこれはそんなお話ではありません。
どこでもないどこかの国で妻と幼い娘と暮らしていたお父さんが、意を決して単身海を越えて異国に渡り、言葉も通じない新しい社会で右往左往しながらもなんとか職を見つけて生活の基盤を整え、ようやく妻子を呼び寄せる。その道のりを台詞とナレーションを一切排して描いたサイレント・グラフィック・ノベルなのです。
著者は父親がマレーシアからの移民だというオーストラリア人。しかしセピア色で描かれるこの絵物語のモデルとなったのはオーストラリアというよりは、ニューヨークのエリス島を経由して移住者を多数受け入れた20世紀初頭のアメリカのようです。
登場する動物や食物はおよそ私たちが目にするものとは異なる奇怪な形をしています。
またところどころ差し挟まれる、そこに暮らす人々それぞれの移住前の生活の様子も、同じように奇妙で不可思議なものばかり。
移住者の歴史をこのように異化して描くことで、主人公たちの不安や心細さが倍加して読む側に伝わってきます。
住み慣れた土地でこうむる貧困や迫害を逃れて、新天地での不慣れな生活をあえて選びとる。そしてその中でささやかな幸せを築こうとするお父さんの姿が心にぐっと迫ってきます。
そして呼び寄せられた幼い娘が、父親以上に素早く柔軟に環境に適応して、新しい移民に小さな救いの手を差し伸べる。その物語展開の妙に感じ入りました。
ワイド版 風の谷のナウシカ7巻セット「トルメキア戦役バージョン」
【風の谷のナウシカ 全7巻 トルメキア戦役バージョン BOXセット】
映画化されたのは第2巻くらいまでになります。
その後、ナウシカは王蟲や腐海の謎を解くために、自らの意志で風の谷を離れ南の森を目指し旅立ちます。
やがて彼女は腐海の意味を知ることに...。
7巻まで一気に読んでしまいました。
読んで行くうちにぐいぐい引き込まれ、不思議な世界に魅了されてしまいます。
秩序と混沌、人間の愚かさ、美しさや残酷さなどが描かれていて、人間の在り方を考えさせられる作品だと思いました。
映画とコミックスでは微妙にストーリーが違う部分があるのでそれを発見するのもまたひとつの楽しみでしょう。
コミックスでは映画には登場しない人物がいっぱい出てきますし、クシャナ、クロトワ、ユパのことをもっと知ることができます。
映画は万人向けですが、コミックスのほうは奥が深く複雑なのでどちらかといえば大人向けかもしれません。
トルメキア戦役バージョンのBOXも素敵ですよ。
ただ、少し残念に思ったのが、後半かなり駆け足気味になってしまって、全体的にストーリーをもっと掘り下げることができなかったように感じられたこと。
10数年かけて連載されていたので、思想や心境の変化があったのか、それとも忙しくてお時間がなかったのかは分かりませんが、7巻だけじゃ足りないように思いました。
それから、これは作品とは関係なく出版上の問題ですが、紙質があまり良くなくて一部シワになってよれてしまった箇所がいくつかありました。
長期保存には不向きなので、もう少し紙質にも配慮して欲しかったです。
マイケル・ジャクソン VISION【完全生産限定盤】 [DVD]
○良かった点:映像がくっきり
音声がクリア
ケース前面の絵が動く動く
ブックレットに小さいながら写真が豊富
これでしか見られない未発表映像有り
×悪かった点:デジタルらしい画質
ごく一部の編集
まずジャケットの加工について。
各SFの絵が10コマ近く動きます。
どれも絶妙なタイミングで、これだけでも「買ってよかった」と思う
素晴らしい出来です。
画質については、彩度とコントラストがはっきりしたように感じました。
顕著にわかるのは「The Way You Make Me Feel」や「Beat It」あたりかと思います。
建物や服装の質感が見えやすくなり空気感がアップしています。
ただデジタルらしいツルツル感も上がったので、人によっては気になるかも…?
気になるのは悪い点ですが
Disc2までで気になった箇所は以下の通りです。
・「Black Or White」の末尾コメントカット
・「Earth Song」の末尾コメントカット
・「They Don't Care About Us」の末尾コメントカット
・「Ghost」がダイジェストすぎる
(→詳細は他の方のレビューにお任せします)
・「Will You Be There」冒頭観客の歓声からコーラス頭まで音声が入っていない
(→音声リマスター時の編集ミス?)
しかし悪い点を補って余りある素晴らしい品でした。
見慣れたSFでも、よく見える分新たな発見があるかもしれません。
個人的には本当に満足の逸品です。