日本アニメーション 世界名作劇場 主題歌集
「トム・ソーヤの冒険」、「母をたずねて三千里」など、伝説となった「世界名作劇場」シリーズ。
この主題歌集は、大杉久美子、大和田りつこ、松本里江、山野さと子、堀江美都子、橋本潮といったコロムビア所属の女性歌手が歌ったカバー版だ。歌のお姉さん的な高音が「いかにも」コロムビア。文句なしに上手いのだが、やはりオリジナルのイメージは強く、「元の方が…」というものも少なくない。
しかし、元の歌がイマイチだった何曲かは、劇的に改善している。筆頭は「愛の若草物語」のオープニング主題歌「若草の招待状」だろう。秋元康 作詞・高見沢俊彦(THE ALFEE) 作曲。曲は相当良いのだが、何しろ元バージョンは新田恵利。アイドル史上でも、最も下手だったと言われる人だけに、(タレントとして)人気はあったが、クオリティ的にはぶち壊しだった。
誰かもっと上手い人がカバーしてくれないかなぁ、と思っていたところ、中古CDショップで、別の人が歌っていると思われるヴァージョンを耳にした。「是非欲しい」と思ったものの、当時は調べる術がなかった。今頃になってようやく検索で探し出した次第である。橋本 潮(うしお)の張りのある高音で、名曲に生まれ変わったこの版はかなりお勧めだ。
もう1つの改善曲は、「ふしぎな島のフローネ」。とんでもない高さから始まるため、裏声のパワー不足が目立っていた。こちらは元々声の高い大杉久美子が歌うため、最高音まで余裕で出している。
シリーズ最高の名曲と言われる「トム・ソーヤの冒険」より「誰よりも遠くへ」は、オリジナルの日下まろんの圧勝。歌った時は確かまだ子供だったはずなのだが、ちょっと掠れた「男の子」声が完璧にマッチしていた。素直な子供ならではの発声が、大人が「子供の真似をした」表現を上回った希有な例だ。
日本アニメーション 世界名作劇場 主題歌・挿入歌大全集 II
このあたりになると、
放映された作品自体は、もう見なくなっている。
しかし、主題歌におニャン子クラブのメンバーが
起用されたり、
歌自体は知っている曲が結構多く、
「ああ…この歌って、アニメ主題歌だったんだ」
と、今になって改めて思う今日この頃だった。
しかし、ボーカル部分において、
「え?」って思うような歌唱力や、
何で、これがアニメの曲になるのかという、
ちょっとした疑問が頭をよぎるのが、
多少あったが、まあそれも時代の流れであろう。
個人的には、やまがたすみこや小林千絵の歌声が、
久しぶりに聴けたのが、とてもうれしかった。
小公子セディ(2) [VHS]
セディの父親、ジェイムズが過労と心臓発作で亡くなった。葬儀では毅然と振舞うセディだが、家へ帰るとジェイムズを思い出してセディは泣き崩れてしまう。そんなセディを、母親のアニーは優しく励ます。しかし、ジェイムズの死によってアニーとセディの暮らしは大分苦しくなるのだった。・・・
亡くなった父親のために、そして自分とたった2人で暮らす母親のために、涙をこらえて「もう泣かないよ」というセディの姿は、本当に健気です。そう言ったものの、時にはやっぱりセディが父親を恋しく思い出す場面もあって、まだ7歳ながらも寂しさを他人に見せまいと一生懸命なセディに胸が痛くなりました。そんなセディを気遣うホッブスさんや仲間の存在も描かれています。経済的に苦しくなった生活を何とか??えようと、アニーは得意の裁縫で生計を立てるのですが、アニーがお金持ちの貴婦人から依頼されて作ったドレスの出来栄えが素晴らしいです。
小公子セディ (角川文庫)
個人的にバーネット・シリーズはシヴィアな見解を持っております。
おそらく腹が煮えくり返ると皆さんは言うかもしれません。
しかし私は“こだわり”にこだわらせていただきます。
私のこだわりというのは実力者の話は面白いとは必ずしも言えないということです。
もちろん関心のある点もあります。
アメリカの一市民がある日突然貴族になります。
“貴族”と“庶民”には大きな壁があるとすれば、
なかなか興味深い変身譚だと思います。
またセディは父親ジェイムズに感化されています。
ドリンコートとの対話の中で「お父さんがそう言ってましたよ」とあります。
これすなわち現在希薄な存在である“父”なるもののありかたを
現代の人間社会に語っているのではないでしょうか。
されど気になる点があります。
それは214頁の不正事件でセディたちが絶体絶命に陥ります。
しかし迫力がありませんでした。
もう少し“アクセル”を踏んでいただかねばと思います。
もう一つあります。
貴族すなわちセディとドリンコートは民心のために援助します。
援助することに批判はありません。
ただ伯爵という“大貴族”が資金援助する光景はおもしろくありません。
むしろ領主として当たり前ではないでしょうか。
彼らによる援助よりもアニーによる素晴らしい行いのほうが称賛に値しす。
この物語の主人公はセディですが、セディを立派に育てている両親のほうが魅力的です。