P.S MY SUNSHINE
ほんとうに気持ちのよい歌声です。
僕は五月晴れの休日、何の悩みもストレスもなく、抜けるような青空の下、爽やかなそよ風に頬をなぶられながら背伸びして、さあ出かけようっ、という、すがすがしい朝を想い浮かべます。
これ、いい、絶対いい。ほしい、早くほしい、と思います♪
東京ゴッドファーザーズ [DVD]
前2作「Perfect Blue」「千年女優」で高い評価を得て実績を積み上げた今敏監督の力量が遺憾なく発揮された快作。
ホームレス・家族崩壊・捨て子といった重いテーマを素材としながらも、テンポのいい展開と軽妙なギャグで笑いを誘い、構えることなく娯楽作品としても観ることができる間口の広い作品。登場人物の心理描写も見事で、親しみを持ちつつ物語を追っていける。
アニメという虚構の中で東京という現実社会のウラにある病巣を映し出し、リアルな筆致で非現実的なまでの偶然の連続を描き出す、この倒錯感がたまらない。ストーリーはアニメらしい単なるご都合主義の乱発かと思いきや、実はしっかり伏線が張られた「意味のある偶然の連続」が物語を織りなしていて、クライマックスに向かって収束していく。
タイトルが一般受けしないのが本当に惜しい。一瞥しただけではどういうお話なのか想像がつかないのだ。かといってひとことで説明できるほど単純な内容ではないので、これは一度なんとかして観ていただくほかはない。
今監督らしく絵や音楽のクオリティは当然のごとく高水準で、いくつもの見方ができる多面的・重層的な密度の高い構成。これまでの作品と同様、何度も繰り返して観たくなる作品に仕上がっている。観賞後の後味も爽快で、誰にでも安心してお勧めできる一品。
ビッグマネー~浮世の沙汰は株しだい~ 1 [VHS]
株の投資を検討していたときに、このビデオを見ました。ビデオの中で植木等さんが長瀬さんに話すセリフで「株の世界でもっとも大事なのは『カン』と『センス』」をはじめ数々のセリフは、フィクションですが、株の投資を考えていた私の心を動かしました。
また長瀬さんはかっこよく演じています。原田泰三さんとのやりとりは最高です。株に興味のない人もドラマを十分に楽しめると思います。1話から最終回まで一気に観てしまいました。
アン・ルイス トリヒ゛ュート・アルハ゛ム [ANNISM ~Ballads~]
アン・ルイス世代にとっては
懐かしさとともに
青春時代の甘くほろ苦い
ときめきを思い出させる。
アン・ルイスを知らない世代にとっては
こんなに感じる歌が
その時代にあったのかと
驚きとともに憧れを抱かせる。
'アン'イズムを受け継ぐ
実力派アーティスト達による
自然と心に響き拡がるサウンドは
聴けば聴くほど染み渡り
その世界感に酔いしれる。
カフェやバーで
恋人と二人で会話を楽しみながら聴くもよし、
一人で煙草の煙と戯れながら浸るもよし、
時間の流れを邪魔することなく
空気を癒すリリーの香りのように、
優しく心を包み込んでくれる、
そんなアルバムです。
昼下がり
青山の、少し奥に入った
オープンカフェで
ほんの少し濃いめのモカマタリと
オススメのスィーツを注文したら
山田詠美の短編小説をBGMに
ANNISMBalladsを
ティースプーンにして
ゆっくり心を溶かして下さい。
自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか (青春文庫)
タイトルに惹かれて購入しました。著者のことは名前だけで何も知りませんでしたが、とても強い信念を感じました。心の中から自然と湧いてくる「それはオカシイぞ。」「それはちがう!」という思いを大事にしろ、と言うのが印象的でした。著者は子供時代からこれを感じ、この絶対感を守らなければと直感していたそうです。すべてを相対化してしまうことは、ある意味ごまかしでもあります。相対化が幅を利かせている日本に、貴重な人材がいたものだと感じました。生物を学ぶ学生として、彼のいわんとしていることは生物学的にも一理あると感じています。
心の中でいつの間にか湧きあがってくる絶対感を信じて進むこと。最低の自分のまま、突き進むこと。「自分がマメツブならそれでいい。小さな存在こそ世界をおおうのだ。」との著者のことばは貴重です。この本を通して、困難に突っ込んでいき、それを突っ切ったときに感じる喜びがあることを知りました。次はそれを自分で体験したいと、思いました。
彼は相当有名ですが、もし無名のまま終わっていても、そんなこと関係なく同じ生き様を通したと思います。「彼はフツーじゃないから」と持ち上げることで、逃げに回って自分を守るのはもう止めにしませんか?と言いたくなりました(自分も含めて…)。
星一つ減点の理由は彼の恋愛観に共感できなかったためです。