声明
真言宗のなかでも近代まで秘されてきた理趣経ですが、その全体が経本通り省略なく収録されています。25分近くある長い読経ですが、聞いているととても気持ちが落ち着いてきて大きなものに包まれる感じがしますよ。音だけに身を任せてみてください。
一日一生 (朝日新書)
82歳の天台宗のお坊さんの話を、友澤和子さんて聞き手がまとめて文章にした本。2008年12月14日付の読売新聞、「本よみうり堂」で紹介されているのを読んで手に取ってみたんだけれど、胸にしみる言葉があちこちにあって、心の栄養剤を充填してもらった気分になりました。
<今日の自分は今日でおしまい。明日はまた新しい自分が生まれてくる。一日が一生、だな。今日失敗したからって、へなへなすることない、落ち込むこともない、明日はまた新しい人生が生まれてくるじゃない>とかな、<八十何年生きたからどうの、これまで何をしてきましただのではなくて、大事なのは「いま」。そして「これから」なんだ。いつだって、「いま」何をしてるのか、「これから」何をするかが大切なんだよ>とかな、いい言葉でしょう。すーっと心にしみて、すとんと胸に落ち着いた、そんな気持ちになったですね。
数ページごとの章に区切ってあって、行間も余裕を持たせて広めにとってあったので、とっても読みやすかった。すっすっと読んでいけたもんな。
本屋をはしごして、四軒目でようやくゲットした一冊。その時、パソコンが使えなくて、ネットを利用できなかったので。だから、本屋の書棚でこの本を見つけた時は嬉しかったな。そうして読んでみて、「ああ、これは買ってよかったな」って、心からそう思えたんですよね。
比叡山 延暦寺 [DVD]
最近、この手のビデオが多く食傷気味だったのですが
これは良いです。
単に綺麗な仏像や景色が見れるだけのものではなく
延暦寺の修行僧や中の様子を詳しく知る事ができます
千日回峰行を満行なさった光永圓道阿闍梨様の行中
(300日目の年)の様子等も紹介され非常に興味深く
見させていただきました。
街道をゆく (16) (朝日文芸文庫 (し1-17))
比叡山とそこに至る諸道についての紀行文です。「街道をゆく」のどの巻を手に取るかは色々なきっかけがあると思いますが、学生時代に比叡山の麓にある坂本までアルバイトに行っていたことから、手に取りました。
坂本を初めとする比叡山に至る諸道についての紀行文も面白いのですが、今回の白眉は一般人が見ることができない、四年に一度だけ比叡山で行われる「法華大会」に著者の友達が出ることから、それを目にし、おそらく日本史上初めて記録がなされた所ではないでしょうか。また、「法華大会」や「千日開峯」に代表される比叡山における僧侶の生活は、最澄からつらなる「宗教山」としての独特の気高い雰囲気が感じられました。
一度、自分でもその気高い雰囲気に触れてみたいと思わせる1冊でした。