幸福の黄色いハンカチ [DVD]
映画が喜怒哀楽で人を表現するということはこういうことなのだ、そう感じる映画です。それぞれの立場で弱いところ強いところそして男と女、人と人が思い合う。はっとさせられます今の自分はこの映画の武田鉄也のように自分に正直なのかと、高倉健のように一途なのかと・・当時高度成長時代で北海道の炭鉱も下火になってきていました、この映画いまではもう作れない昭和の名作です。人生その気になればやり直せる、年を重ねたら見てみたいです。
遙かなる山の呼び声 [DVD]
倍賞千恵子が福岡から親の反対を押し切って、セイジさんと一緒に北海道にわたり、セイジの死後2年たっても、小学生になったばかりの息子・武志(吉岡隆次)とともに、気丈にも牧場経営を続けている。そこへ、田島と名乗る男(高倉健)がやってきて、働かせてくれと頼むのです。女手でひとつでは牧場はやっていけないので、用心をしつつ、田島を倍賞千恵子が雇い入れます。田島は寡黙で働き者なので、武志少年はお父さんのように慕います。
そこに生じる未亡人の怪我。田島は一人牧場で働き続けます。田島にほれこんで手伝うのです。武志はますます田島に惹かれて行きます。そして田島は乗馬まで武志に教えるのです。
そこへ未亡人の従兄弟(武田鉄也)が新婚旅行で訪れます。
「幸福の黄色いハンカチ」とともに若者を北海道に惹き付けた作品です。
山田洋次―なぜ家族を描き続けるのか
もう日本映画制作現場最後の砦かもしれない、この監督のものづくりを丹念に描いた本。
台本に書かれなかったことまで想像しつくし、家族の空気ができあがるまで“待つ”ことを耐え、違和感ない映像が撮れるまでけして妥協をしない昔気質のつくりかたがそこにある。
いっぽう、寅さん亡きあと、この監督が本気で惚れこんだもうひとりの寅さん……どうしようもないロクデナシだけど、代えがたい人間味の塊。「おとうと」を演じるその俳優のことを、監督・山田洋次がどれほど惚れ抜いて「おとうと」という映画作品が出来上がったのかが、全編から響きわたってくる。
「やっぱ日本映画界に生身の寅さんがいないと淋しいんだよね」なんて思ってる人に一読をお奨めしたい。
幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター [Blu-ray]
このディスクは、2010年に山田監督の監修のもとで、全く新しくディジタルリマスターされたものである。
フィルム自体が古いためか、DVDと比較しても、驚くほどは解像度が改善されているわけではない。
しかし、DVDと比較すると、解像度は確実に向上しており、カラーバランスと音声も、実に丁寧にリマスターされていることがわかる。
特典映像も新たに追加されており、2010リマスターでの劇場公開時の山田監督と武田鉄矢氏のインタビューなどを見ることができ、この映画の歴史を感じさせられた。
とにかく、気持ちよく鑑賞でき、感動がよみがえるブルーレイとなっており、是非とも、ライブラリに追加することをお勧めしたい。
最後に、松竹には「男はつらいよ」シリーズのブルーレイ発売も期待したい。
日本映画ファンの皆さん、多少の不満はあるでしょうが、日本映画界をつぶさないためにも、日本映画のブルーレイディスクを買いましょう。
ニューヨーク・スケッチブック (河出文庫)
この本がどんな本かを解って貰うためには、「ニューヨーク・スケッチブック」の34編の短編と共に、巻末収められている「黄色いハンカチ」と言うたった6ページの物語を読めば良く解ります。
この「黄色いハンカチ」は、日本人なら誰でもが良く知っている「幸福の黄色いハンカチ」と言う高倉健主演の映画の原作です。
山田洋次監督が、この短編からイメージを膨らませて、この映画を作ったのですが、確かに、この短編を読むだけでそうした書かれていない主人公の人生が思い浮かんできます。
この短編集に収められた34編+1編のどの作品を読んでも、同様に主人公の抱えている人生が浮かんできます。
10ページ弱の短編でそこまで表現してしまう作者の実力のほどが窺えます。
どの一編を読んでも、そこには市井に生きる人間の人生が感じ取れる、素晴らしい短編集です。