Genius Party<ジーニアス・パーティ> [DVD]
各10分程度の映像世界、七本を楽しむための宴。
でもタイトル負けしています。絶対に。
1本目からこの作品群を見るための姿勢を試される気がします。
どの作品もヤマは低く、オチも弱い、テーマに至っては探す方が難しい。
これらを「ショートフィルム」と表すより「映像実験」もしくは「卒業制作」。
特にその象徴といえるのが 5本目「LIMIT CYCLE」。
視聴者そっち除けの気だるいモノローグ、有り触れた図形に、退屈な映像。
まるでどこかの宗教に入信させるための映像かと思えるほどに、
猛烈な睡魔に襲われました。
キャラクターデザイナー、メカデザイナー、美術監督、漫画家、音響監督…
様々な分野の人間が監督となって自由に一本撮るという試みは素晴らしいのだが、
制御出来てない船に乗るような感覚を味わうことになる。
作品によってはその船は沈没するし、役割無視して空も飛ぶだろう。
各々の監督が好き勝手やりたい放題やっているのが活き活きして、
その中で楽しめる作品が少なからずあるのは良いのだが。
制約が無いために、天才の線引きも曖昧になったのでしょうか。
とにかく話題性だけの棒読み俳優を起用する前に、
もう少しだけ「大衆性」に目を向けて欲しい一本です。
うろしま物語 (F×COMICS)
エロチック・ファンタジーとのことですが、エロかどうかよりも「かなり変」です。
元来不条理マンガをお得意にされていた福山さんですから多少のことでは驚きませんが、『17』といい『臥夢螺館』といい、これといい、福山さんこんな作風だったかなぁ。
こういう町があったらと夢想することは誰でも一度ぐらいあるでしょうが、若いうちならともかく年取ってからですと、それこそ「浦島太郎」のようにケムリしか出ないということになりかねません。アー、クワバラくわばら。