天使 プレミアム・エディション (限定生産) [DVD]
本作のホンは素晴らしいと思う。深田恭子のキュートな天使を軸に、いくつかのエピソードを担う俳優陣も永瀬正敏、永作博美、内田朝陽ら安心して観られる役者ばかり。また森迫永依も大器の片鱗をうかがわせる好演だったと思う。でも、どうしてこのような仕上がりになってしまったのか。やはりこれは監督の力量によるところが大きいと思う。宮坂監督は普段、PVなどを撮っている人だ。だから舞い降りる天使の撮り方などVFXの処理は上手いのだが、なにしろストーリーメイクがダメである。これを篠原組で撮ったら、もの凄く素晴らしい作品になったと思うぞ。本当に惜しい。深田恭子のセリフのない天使役は本当にハマっていて、ガーディアンエンジェルとしての存在感もあったが、やっぱりワンショット勝負のPV的。映画は一瞬のビジュアルで魅せるものではない。宮坂監督ももう少しシャシンの勉強をしてから、新作に臨んでほしい。本当は星2つだが、俳優陣にプラス1つ。なお、深田恭子ファンには絶対にこちらのスペシャルエディションをお勧めします!
プール オリジナルサウンドアルバム
小林聡美さん、ハンバートハンバートが好きということで購入しました。
先に映画を見たのですが、劇中ではほとんどBGMは使用されていません。
しかし、映画では鳥の声や風の音など自然の音が映画に深みを増していたように思います。
このアルバムは音楽でもう一つの「プール」を表現する、という趣向で作られたようです。
それぞれ、役名の曲がありますが映画を見てから聴くとその役柄の雰囲気に沿って作られているなと感じます。
主題歌の「タイヨウ」は、ハンバートハンバートの「妙なる調べ」と同じ楽曲ですがこの曲は映画仕様で途中で転調します。
小林聡美さん作詞・作曲の「君の好きな花」も素晴らしい!
シンプルで誰でもすぐ口ずさめるような温かいメロディーと歌詞、劇中でプールサイドに集まって歌うシーンは何だか胸が熱くなりました。
このアルバムでは、映画のテイクとスタジオテイクがあります。
個人的には、映画テイクのシンプルでリラックスした歌い方が好きですね。
映画のDVDとセットで手元に置いておきたい作品です。
カケラ [DVD]
奥田瑛二や行定勲などの助監督も務め、撮影現場も経験しているという。しかも自分で脚本を書き、監督もしているというから、
マルチな才能をいかんなく発揮した傑作か?それとも、マリファナでラリッタようなサイケデリックな色彩感覚だけが目立つ映像なのか?
それとも自信過剰のハッタリの映画なのか? 傑作か駄作か確めかめたかったです。
主演が「愛のむきだし」の満島ひかり(ハル役)と、悩み多きハルと「対」の相手は、オーディションで抜擢されたややボーイシュモなデル出身の中村映里子(リコ役)。
ストーリーは、この二人がレスビアンな関係で進行します。
リコは明け透けに、ハルちゃんが好きー、女の子の感触が好きー、女の子って柔らかくすべすべしていい匂いがするでしょー、
どうせなら男と女ではなくて、自分にとって気持ちよい人と触れあいたいーと、ハルに交際を打ち明ける。
ハルは、どことなくミステリアスな雰囲気の彼女に関心を抱く。男にはない「女」の魅力にみせられ、コースターに書かれた電話番号に連絡する。
了太の浮気を疑って「恋」そのものに疑心暗鬼していたので、ハルはリコとの女同士の密接で不可思議で濃厚な触れあいに引きつられていく。
リコは、男と女の「性」を染色体が46本で、XY・XXの染色体によって男女が決りー、男と女の違いは男が作り出すのよー、男も女も人でしょー、
男だ女だって思うから苦しくなるのー、人はみんな最初は女なのーと、男と女のセクシャリティーを説明する。
女の思春期をそろそろ終えようとしている安藤モモコが、女の何を描こうとしているのかー?
映画が面白くなっている私としては、若手女性監督が、人間の「何を」ー凝視するのか。「女」の何を見つめるのか?
女の「性」の何をー素材にしたいのか…?大変に興味がありました。或いは、女は「性」の青い蕾の年齢をどう描いていくのか?
の映像に、特に期待感がありました。
「カケラ」という言い方自体が、女が男の従属物であり、男と女の関係性をアダムの「カケラ」からイヴが誕生したような従属性までイメージさせる言葉です。
女は男の「カケラ」である・・と喚起させますね。
Life 誕生学の現場から
とても感動しました。
こどものころ、性に戸惑っていたとき、こんな風に接してくれる大人がいたら。
本当のことを、教えてくれる大人がいたら、どんなに楽になれただろうと思いました。
性の間違った情報、性産業の情報があふれる中、昔ながらの純潔教育では立ちいかなくなり、
大人も、子どももどうしていいかわからず、右往左往していると思います。
今こそ、必要な本だと思います。
多くの方々が、誕生学に触れて、広まってくれたら、どんなに素敵な世の中になるだろうと感じました。
心が軽くなる、あたたかくなる、そして現実的で、すぐに役立つ情報が満載の一冊です。