尾瀬と鬼怒沼 (平凡社ライブラリー)
70年の時を超え再販され、感慨もひとしおです。 本書を片手に現地に佇めば、植生と風景の70年の変貌が実感となって我が身に迫ります。理学的価値は勿論のこと、文学的にも価値ある一冊です。 多くの方が本書を読んで、自然と人との良き関係に想いを馳せてくださるなら、それこそが日光に永眠される著者の本懐ではないでしょうか。
DIY SELECTS2日曜大工でレンカ゛&ストーンワーク (DIY SELECT’S)
庭の段々の仕切りが木製で腐ってきたので、ブロックとレンガでDIYしようと思って買いました。道具や知識を含め全くの初心者でしたが、初心者を温かく教えてくれる教則本のような内容で熟読しました。左官仕事のDIYというのは、木工仕事に比べてとっつきにくい分かりにくさがあって、レンガやブロック、モルタルをどう使って作ったら良いのか、ただホームセンターに行って見ただけでは、どれをどう買ってよいかさっぱり分かりませんでした。その点、この本の著者は、専門家ではなく「関西DIYの会」を主宰していらっしゃるだけあって、この「分かりにくさ」を馬鹿にしないでちゃんと解説してくれています。おかげで、5メートル近いブロック3段積みの仕切りにブリックタイルを貼ったら、ちょっと自信がついてきて、今は楽しく2段目を作っているところです。レンガワークがDIYできるなんて、全くこの本のお陰です。
写真集 幻景の東京―大正・昭和の街と住い
戦前に出版されていた建築雑誌から、テーマごとに写真を集め
編集した、建築写真集です。
帯で松山巌さん曰く、
「ありていにいえば、カメラアングルなどにはさほど凝らず、
スナップのように撮っている。……そのため(中略)
建物が街のなかにおさまっている雰囲気を伝えてくれる」とあります。
まさにその通り。
通りから建物を映しただけの写真が、むしろ街の全て、
引いては人々の生活を伝えてくれます。
ケーキ屋のショーウィンドウに貼られた「レモンケーキ25SEN」
の文字や、映画館にかけられた垂れ幕の、「人情活劇 闇の女神」等々。
戦前の街の空気に、少しでも触れたい方に。
ライダー怪人シリーズEX 水のエル
エルは従来の特撮では所謂、幹部に位置づけされますがそれを実感せしめる静謐な佇まいが微妙な中間色などで再現され劇中から抜け出たかのようです。“怨嗟のドゥ・サンガ”の持ち方も到ってキャラ性に合っています。
木枯し紋次郎 DVD-BOX I
発売から大分経過して購入できた。リアルで楽しんでいた世代には嬉しい限り!
無宿の渡世人で他人との関わりを拒絶した生き方を貫く紋次郎ではあるが、旅の先々で騒動に巻き込まれ、結局他人と関わりかつ他人助けもしてしまう。しかし、無宿人であるがゆえに感謝されることも無く、長い楊枝を飛ばして旅たつ紋次郎の悲しげな後姿にジンときたものである・・・・・
冷徹なようで義理人情に厚い一面を持つ紋次郎のキャラが大好きで、原作小説もむさぼり読んだ。
当時はビデオが無かったので(時代がわかるね)、録画もできず再放送を待ち望んだものだが、このドラマは自分の青春時代を象徴するものだけに、DVD化は感涙もの。
名匠・市川混監督の渾身作だけに、時代考証、演技・演出も超一級!
それとなんといっても中村敦夫氏のハマリ役! 映画版では菅原文太氏が演じてたけど、やはり中村敦夫氏がいい!
いまの時代で、このクオリティを上回る時代劇を作るのはまず不可能だろう。
暗い過去を持ち、社会から拒絶された男の時折みせる優しさに感動してもらいたい!