きみに読む物語
なんだか甘ったるくてツライなあ...と思いながら我慢して読んでいたら、後半はなんともシビアな展開。絵に描いたような美しいラブ・ストーリーが語られる一方で、生きることの過酷さが着々と進行していく。純愛小説ぐらいじゃ涙腺も緩まない、すでに身も心も汚れたオッサンでも、胸にグッとくるものがある。
きみに読む物語 [Blu-ray]
1人の人を愛し続けることの美しさ、誠実さ、気高さが伝わってきます。恥ずかしながら終盤は涙がいっぱいで見ることができないくらい泣けました。
脚本も演出もこの物語ではこれ以上できないだろうと思うくらいしっくりきます。ニック・カサヴェテス監督のテーマは家族。夫婦は元は他人です。そこに絆を築いていく過程の描写が丁寧で、終盤に一気に収束していく脚本・演出は見事です。
DVDより明らかに映像・音声とも美しくなっています。どちらで鑑賞しても感動は変わりませんが、BDの方が印象深いように感じました。
きみに読む物語 スタンダード・エディション [DVD]
認知症のためホームで生活する老婦人の元を訪れる男性。
彼は彼女に2人の若者の恋物語を読み聞かせる。全てを忘れてしまった愛する人に戻って欲しい一心で、何度も何度も繰り返す。深く愛し合った人が目の前にいるのに、それを伝えられない苦しさ、それでも彼女を想う深い気持ちが伝わって胸を熱くします。
一瞬記憶が戻った彼女に「Oh, My sweetheart」「Oh, My baby」と抱き寄せるシーンは何度見ても込み上げる涙を抑えられない。愛ってこんなに素晴らしいんだ、運命の人と人生を共にするとはこういうことだ、深く私の心に入り込む傑作です。
若き日の2人も素晴らしい、どちらも好感もてる人物設定で、身分違いの恋に苦しみ両親に仲を裂かれるというありがちな設定を感じさせないつくりになっています。
何故公開されたとき見なかったのか後悔してしまうほど、ずっと大切にしたいお気に入りのひとつ。
私の中のあなた 下 (ハヤカワ文庫NV)
文章はとても味わい深く、登場人物たちに感情移入してしまいます。悪人が登場しない話だと思います。ラブストーリーや青春小説的な要素もあって、素晴らしい本です。
暗喩が多用されていて、少し読みにくいのが気になりましたが、
展開が気になって夢中で読んでしまいました。
ラストは賛否両論あると思います。うまくまとめたというか、少し安易な気もしました。面白く読め、考えさせられる題材だっただけに少し失望しました。
何より、話題の中心人物の一人であるケイトにだけは感情移入できなかったのが辛かった。
きみに読む物語 オリジナル・サウンド・トラック
眠る時に、映画の冒頭の曲―つまりサントラの第1曲目―を
聞くと、しあわせなほんわかとした気持ちになれます。
優しいピアノの音色を聞いていると、映画の冒頭で、白鳥達と
ノアがアリーのもとへと帰っていく美しい映像がよみがえります。
実話に基づいているだけに、よけいに人生の奇跡と美しさが
感じられてしあわせになります。
安っぽい恋愛小説や恋愛映画にうさんくささを感じている方に、
映画とともにおすすめしたい作品です。