お寺の鐘は鳴らなかった―仏教の戦争責任を問う
一般的に現体制に反対立場を取る者は「左翼」と称され、反国民とされ著者もそう評される側かもしれない。しかし、「左翼」「右翼」だとかを越え、ただ純粋に、歴史事実を自分の足で得た結果がこの本の内容であろう。現時点で日本の戦争責任否定派にとっては素直に受け入れられない内容だろうが、彼もまた「日本国民」、「人間」と言った立場で今後の「アジアの平和」と向き合っている一人であり、「愛国者」であることは、その内容から見てとれるであろう。これからの日本人として人間としての「平和の求め方」を考えさせられる内容である。