あら!いいんじゃな~い?!
メッセージ溢れるオリジナル曲から、Stevie Wonderの「Overjoyed」、Harry Belafonteが歌い米国でヒットした「DAY-O(Banana Boat)」など充実した内容。「ちょうPositive Thinking」(作詞・作曲:吉村京花)の歌詞がじつにシャレています。「あ〜いるいる、こういう、かあちゃんって!」と、そのユーモア感覚豊かな歌詞に感心&抱腹絶倒(笑)。フォッサマグナの新作はタイトルどおり元気の出るアルバムです。それにしてもこのヴォーカル・ユニットの音楽世界の底辺の高さには目を見張るものがあります。特筆すべきは北島三郎さんが歌い大ヒットした「与作」の見事なジャズ化。清水貴和子さん(P,Vo)は、アメリカでNorman Simmons(P)、Rufus Reid(B)らと共演した前作「Love for sale」でもこの曲に取り組んでいますが、今回は幅広いレパートリーを持つ実力派ヴォーカリスト、吉村京花さんとの共演でよりいっそうソウルフルな歌声を披露しています。高度な音楽理論により構築されたフレージングと魂のこもった見事な表現力は、ただ単に「日本の唄をジャズ風に調味いたしました、さあどうぞめし上がれ」などという類でないことは確か。同曲とジャズとの接点を読みとった清水貴和子さんに完全脱帽デス。アルバムの随所で聴き取れる女性パーカッショニスト、柳沢“マーヤ”麻千代さんの絶妙なサポートも心にのこります。