危険な関係 [DVD]
この作品、オープニングのタイトル・ロールを観ただけで引き込まれてしまう。チェス盤のマス目に表れる俳優名とスタッフ名というおしゃれな映像とともにジャズ・ピアノが流れるオープニングが何ともかっこいい。音楽は誰がやっているかと見ると何とセロニアス・モンクではないか。おそらくオープニングのピアノはモンクだろう。そして、全編に流れるジャズ・ナンバーはアート・ブレイキーとジャズ・メセッンジャーズの演奏。ジャズ好きにはたまらない作品となっている。
さて、作品の方はというと、お互いの浮気を許す外交官夫婦が危険な情事をゲームのように楽しむなかで、夫が清楚で純心な人妻に出会い惹かれていき夫婦のゲームの規則が崩れていく様を美しく官能的にそしてスリル満点に描いた作品。ラクロの原作は官能小説のようなもので舞台は18世紀なのだが、映画の方は現代に置き換えられているので原題に1960(Les Liaisons dangereuses 1960)とついている。
この作品のジェラール・フィリップ演じる浮気な夫バルモンは5人の女性と結婚した監督ロジェ・ヴァディムとかぶる。そして、バルモンが恋するマリアンヌは当時の監督の妻アネット・ヴァディムが演じていて何ともかわいらしく、美しく、官能的に描かれている(だが、ラストの精神が不安定になったシーンは余分)。
一方、バルモンの妻ジュリエット演じるジャンヌ・モローは冷たい美しさが魅力で対照的に描かれていて良い。
そして、この作品は最近の映画よりも官能的にラブシーンが描かれている。当時は女性の裸体の露出は限定的であっただけに想像力を掻きたてるラブシーンは美しく官能的で欲情的なものになっている。
かっこいいモダン・ジャズのナンバーをバックに繰り広げられる危険な恋の駆け引きで誰に感情移入するかによって色々楽しめる奥の深い作品。今観ると一層良さがわかるのも不思議だ。
危険な関係 完全版(1) [VHS]
連ドラの中ではかなり完成度の高い作品の一つではないでしょうか。
なぜか、DVD化されていないのが残念でなりません!
比較的、甘い役柄が多いこの時期の豊川悦司が、しびれるほどシビアで孤独な男を演じており、
さらに、吾郎ちゃんのささやくような「ぼやき」が、
ドラマのアクセントになっていて、
とてもドラマチックな作風になっています。
子爵ヴァルモン~危険な関係~ 2 (フラワーコミックス)
一巻に続いて、こちらにもレビューを。
原作に忠実で分かり易く、しかも美しい。
ついでに、最後は泣けます。
なによりも、
プレイボーイの「子爵ヴァルモン」(主人公)がホントに美しくて、
始終クラクラしていました。
あれくらい美しい男じゃないと、この話には登場できませんね。
私、SFものしか読まないのですが、これは珍しく読めました。
単なる甘々ストーリーじゃないのが、読ませどころですね。
純恋愛を突き詰めると、こうなっちゃうのかな。そうか……。
文学に興味の無い人も、これはおすすめです。
ドラマチック デイズ ベスト・オブ・TVドラマ
今までに放送されたテレビ番組の主題歌に使用された名曲を集めたコンピレーションアルバムです。この2枚組の全36曲は、ドラマの主題歌というくくりだけではなく、世界の人々に愛され続けてきた名曲の集大成といった趣でした。
エルヴィス・コステロが歌う「スマイル」を聴くと、キムタクとそれを追いかけるさんまの名シーンが印象的だった「空から降る一億の星」のエンディングを彷彿とします。
でもそのようなテレビ・ドラマを見ていた方だけでなく、私のような50代の音楽ファンにとっては、ここに収録されている曲のどれもがリアルタイムで愛してきた曲ばかりなのです。
マイケル・ジャクソンの「ベン」を聴くと、少年時代の愛らしい頃の彼を思い出しますし、スリー・ドッグ・ナイトの「ジョイ・トゥ・ザ・ワールド」等は、よくぞ主題歌に取り上げたくれた、と拍手を送りたいような選曲です。
ダイアナ・ロス「イフ・ウィ・ホールド・オン・トゥゲザー」、サラ・ヴォーン「ラヴァーズ・コンチェルト」、ママス&パパス「夢のカリフォルニア」、エルトン・ジョン「ユア・ソング」、アバ「ダンシング・クイーン」、サイモン&ガーファンクル「冬の散歩道」、ギルバート・オサリバン「アローン・アゲイン」、と書き上げますと、愛してもやまないオールディーズの名曲の数々ばかりが並びます。
幾多の思い出が本当に歌と共に走馬灯のように浮かんでは流れていきました。私の青春の歌です。そしてその思いはドラマを見ていた若い世代へと引き継がれていきます。
ただ、残念なのはミッシェル・ボルナレフの「シェリーに口づけ」の音源の状態が良くないことです。他のコンピ盤でも感じましたが、良い原盤はないのでしょうかね。
私のような洋楽ファンにとっては、リバイバル・ヒットを集めた究極のベスト盤というべきものといえるでしょう。
テレビ・ドラマを見られた方にとっては、思い出がまた蘇ることでしょうね。お買い得なのは間違いありません。オススメします。