外交〈上〉
現代アメリカ国際政治学の巨匠を挙げよと言われれば、多くの人がハンティントンか、このキッシンジャーかを挙げるであろう。
彼がその博士課程において記した『回復された世界平和』は「力の均衡」と「価値観の共有」という二つの原理こそ世界秩序の安定に必要であると高らかに主張し、彼の名は一躍全世界に知られることになった。
彼がその生涯の総決算として著したのが『外交』である。これは、自らが発見した上記の二つの原理を分析の軸に置き、17世紀における近代国際政治の誕生から冷戦終焉までの「歴史」を描いた超大作である。
ただ私はこの本を単純に歴史の本として読むことはお勧め出来ない。キッシンジャーの知識は我々の想像の範囲を超えて重厚であり、その表現は微に入り細に入り、内容は難解である。はっきり言って国際政治の素人に読みこなせるものではない。
ただ主張は非常に明確である。彼の主張は、歴史を通してそれに「反抗」し続けた、アメリカおよびアメリカ国民に対して向けられている。そして今現在、その主張は世界秩序の安定を担おうとするアメリカに受け容れられ始めているようにも見える。
最後に述べておきたいことは、キッシンジャーが、私たちが通常イメージする純然たる歴史家や政治学者と言うよりも、ハンティントンと同様に、アメリカの偉大なる戦略思想家と呼ぶに相応しいということである。彼の明晰な思考の過程を追うことが、これからアメリカが、そして世界がどう動いていくのかを知ろうとする方に、大きな道標を与えてくれるに違いない。
ビスマルク号を撃沈せよ! [DVD]
英。独軍の戦艦同士の戦いは見るべき物があります、ビスマルクの装甲の厚さと主砲の大きさが英軍の艦船との差を物語っています、プリンスオブ、ウエルズとの戦いは見ごたいがあります、興味ある方はぜひ見て下さい。
アニメホットウェーブ
他では聴けない曲が入っているため購入したが、なにしろ1990年から発売され続けている商品なので、音質的には不満が残る。
CD盤面の表記は、「デジタル・マスタリング」。(おそらくAAD表記と同じ意味)
確かに「リマスタリング」はされていないようだ。
音質にも“時代”が感じられる。
『デリケートにキスして』も『見知らぬ国のトリッパー』も、かつて友人の部屋でよく聞いた、“あの音”だと懐かしさを覚える反面、うまくリマスタリングされた音でも聴いてみたくなる。
Bismarck: The Man and the Statesman (Sutton History Classics)
ビスマルクといえばドイツ統一の立役者であり、また勢力均衡の考え方に基づく安全保障政策の名手として名高い人物ですが、古来、その業績に対しては毀誉褒貶が絶えません。
本書は、英国における西洋近代史の第一人者であるA.J.P.Taylorによるビスマルクの評伝です。ビスマルクの政策や政治的行動を丁寧に分析し、実証的に彼の人物像を描くとともに、その功罪を論じていきます。全体としてたいへん辛口な内容となっており、ビスマルクは、狡猾な独善家であり、主義・原則よりも実利を重視する投機的な政治家として提示されています。但し、外交面等における彼の功績に対しては常識的な評価が与えられており、著者の視点は必ずしもアンフェアとまでは言えないようです。
こうした評伝を書いている以上、著者がビスマルクに対して大きな関心を抱いているのは間違いないのでしょうけれども、生粋の歴史学者だけに、対象に接近しすぎては良い仕事はできないという信条でも持っているのでしょうか。ひねくれた愛情表現のようで興味深いです。
いずれにせよ、歴史上の巨人の業績を客観的に評価するというのは難しいことです。誰かの伝記といえば、どうしても「偉人伝」的なものに目が向き勝ちですが、その人物の歴史的意義をキチンと把握しようと思えば、当たり前かも知れませんが、本書のような辛口評伝も意識的に読んでみることが必要なのかも知れません。
ロボットアニメ大鑑 上巻
ボーナストラックのガクセイバーなのですが、どうせなら、林原めぐみさんの「WHATEVER」の10曲目に収録されている「流星機ガクセイバー」も収録して欲しかったです。
ボーナストラックとはいえ、それほど歌のあるアニメではありませんし、タイトル通り、直球ストレートのガクセイバーなんで、入れても良かったんじゃないかな?と思いました。
全体的にともかく収録曲が多く、非常にリーズナブルなCDだと思います。
なんというか、歌の中で、ですね。「レインボーマン!」とか「六神合体!ゴッドマーズ!!」とか絶叫してもらえると聞き手としてはうれしいのです。変に格好つけて「後で黒歴史にしてしまおう」という魂胆見え見えの弱っちい歌詞だったりするよりは、1曲に賭けた命がけ感がロボットアニメなんだと思います。