フルトヴェングラー・コンプリート RIAS レコーディングズ (Wilhelm Furtwangler - The Complete RIAS Recordings) [12CDs + Bonus CD] (Import CD from Germany)
すでにEMIから出ている大全集を買ってリマスターの素晴らしさをレビューしている。今回推奨をうけてRIAS収録されたBOXをまた買って聞いたが、これはベルリンフィルのみを指揮したもので、他のレビュアーが曲目を書いているように、いろんな作曲家を取り上げていることが特徴です。ベートーベンの交響曲は第3番 4番 5番 6番だけです。シューマン ブラームス ワーグナーほかあまり聞かないものが含まれています。録音状態はリマスターのため、ノイズが少ないので素晴らしいものです。とても4日間で聞きこなせるものではありませんが、聞いてても嫌にならないすばらしい演奏です。ブラームス交響曲第3番の盛り上がり方がよかった。
秋のホテル (ブルックナー・コレクション)
第1章の冒頭から惹き込まれる風景描写が素晴らしい。
「窓から見えるのは、どこまでも遠くつづいている、灰色の世界だけだった。・・」
舞台はジュネーヴ湖畔にあるとあるホテルだが、以前スイスに行ったことのある読者であれば
おおよその場所は想像がつくと思う。登場人物の心理描写もさることながら筆者のレマン湖近辺の風景描写はあたかもそこを自分が旅をしているような気持になる。
何回でも繰り返し読みたくなる作品。
バーンスタイン/ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 [DVD]
DVD
ブルックナー 交響曲第9番
レナード・バーンシュタイン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1990年
指揮者が唯一取り上げたブルックナー
CDでも長年親しんで来ましたが。DVDだと更に趣深いです。
体調悪い中、指揮者自身の最期を意識した最晩年の輝きを放つ白鳥の歌。
全曲終わった時の感動たるや筆舌に尽くし難いです。
ブルックナー (新潮文庫―カラー版作曲家の生涯)
クラッシク音楽(オペラを含め)の生の音楽を聴いた機会は何千回もあるが、
生涯の中で最高のものは何かと尋ねられれば、それはマタチッチがN響を最後に指揮したブルックナー第8番だと答えたい(1984年3月定期公演、NHK
ホール)。
ブルックナーは大器晩成型のオーストリア人で、当初教師職にあり、プロの音楽家としてのデビューは31歳でリンツの教会オルガニストに任命された時、自作交響曲の初演(第1番)は44歳の時とされる。また47歳(1871年)パリとロンドンにおけるオルガン即興演奏では、満堂の聴衆(サンサーンスらを含め)を感動させた記録が残されており、当時世界最高のオルガニストだったといえるのではなかろうか。
ブラームスとほぼ同時代に活躍したが、和声法と対位法の信奉者で生涯独身だったが、酒と美食と美女に心ときめかした(10回ちかくも求婚したとの逸話がある)巨匠といわれている。
ブルックナーの交響曲を聴いて感激する時の様子は、主要動機の繰り返しと、フルオーケストラによる全力演奏ダイナミズムの高揚のうちに、感動の渦が身体中に溢れ出てくる(ひたってしまう)とでも言えようか。弦楽器のうねりを超して金管群が鳴り響き、身体全体が音の中に吸い込まれるかのようだ。
筆者が聴いた演奏会については、当日演奏した徳永兼一郎(チェロ)が「ダフ屋まで出て、すごい演奏会になり、聴衆の反応も未だかってない程燃え上がり、N響メンバーも一人一人が今終わったばかりの奇跡の感激を味わった。」記している。2009年2月池辺晋一郎がN響50年の歴史「思い出の名演奏」特番でも、わざわざ当日の演奏をビデオ放映していたのが記憶に新しい。
他にも、安永徹がコンサートマスターとして参加した1984年ベルリン・フィルのブルックナー第8番の演奏(指揮者ジュリーニ)で、「弾きながら自ら感激してしまうと、余分な動きがなくなり、腕や指に全感覚が集中し、演奏の仕方について知らぬ間に啓示を受ける。」と弾きながら自ら感激したことを告白している。