オペラ座の怪人 ロングランキャスト
日本のミュージカルにあまり期待をしていなかったのに,「エリザーベート」を観て,山口祐一郎の声に魅了されました。ネットでいろいろ調べ,いくつかのCDに出会いました。その中でも,このCDは,今の山口氏に近い声だったのでお勧めします。
エリザベートのトートとファントムには,似通った性質があるため,同じオーラを感じます。今ほど,円熟した声でははない部分(若い)も感じられますが,録音の少ない方ですから,ファンにはたまらない一枚ではないかと思います。
ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中) (新潮文庫)
本書前半は、カルタゴからスペイン、フランスを経由しアルプス越えの末にイタリアに至ったハンニバル軍の破竹の快進撃が痛快に描かれています。その行程は紀元前200年の話とは思えないほどの壮大さです。また、ハンニバルの情報収集能力の高さと後世の軍隊でも教材とされるほどの戦術にも目を惹かれます。
後半になると、会戦回避という戦術に転換したローマが、スキピオという若い指揮官を得て反撃にでます。いつの時代も、どの国でも、英雄は次世代の英雄にとって代わられるということなのでしょうか・・・。
ちなみに意外なところで数学者アルキメデスが登場します。彼の意外な活躍ぶりとその結末には思わず「へぇ〜」でした。
ピース
合唱王国イギリスの少年聖歌隊の歴史と伝統を感じるような演奏でした。
冒頭の「サンクティッシマ」「永遠の時」など、遥か遠くの天上の世界から降り注ぐようなボーイ・ソプラノの透明な響きがとても魅力的です。高音の済みきった美しさは格別ですし、これまで多くのアルバムが世界中で支持されたリベラの実力と魅力の理由がよく分かる清楚な気分に包まれる歌唱でした。
ジョン・ラター作曲の「A Gaelic Blessing」である「ディープ・ピース」は実にいい演奏ですね。何回聴いても癒されます。このイギリスの名作曲家・ラターの生みだした混声合唱の名曲をボーイ・ソプラノで歌うことでより音楽が夾雑物を取り除きより純化されて再提示されたように受け取りました。
そのノン・ビブラートで硬質の声は、人生において少年期の限られた時代しか持ち得ない宝物のような一瞬の輝きを持っていました。これを聴いていますと、人の歌声はもともと「癒し」という側面を持っていますが、少年達が織なす奇跡のようなハーモニーは、様々な俗世の悩みを遠くへ追いやる特効薬のような存在なのかもしれません。
CMに使用され、ドラマの主題歌としても使用された「彼方の光」の精緻なアンサンブルと純度の高い声部の重なりから生まれる豊かな倍音が聴く者の心をとらえ、心地よさと安らぎを与えてくれるようでした。リベラの透明感あふれるサウンドには、ヒーリング・ミュージックという側面を持っていると感じられました。
変声期までの限られた時期にしか残せない録音と言うものは実に儚いものですし、記録として残さないと語り継げません。その意味でこのアルバムの価値はこれからも意味あるものとして残っていくのでしょう。
機動警察パトレイバー2 the Movie ハンニバル 陸自仕様 (1/72スケール一部塗装済みプラスチックキット)
映画版のパトレイバーの脇役の、
既に出ている代物の装備違いが発売された事自体、
大変珍しいですね。 よくこんな企画通ったなあ。
模型単体として見た場合、流石にバンダイの
ガンプラのような内容を期待すると痛い目を見ますが、
パーツの合いも悪くないし、バリも殆どなし。
色分けは絶望的ですが、軍用機であることを考えれば
カラフルな色分けは無用だし、こんなもんだと思えます。
色々煮詰められていない部分はありますが、ハンニバルが好き
なら買っても損はしないと思います。
お値段は少々お高いですが、メーカーがメーカーだし、
多く売れるもんじゃないので、ガレージキットの組みやすい
廉価版と考えれば納得いきます。多分。
できればPKO版の装備もつけて欲しかったなあ。
ローマ人の物語 (5) ― ハンニバル戦記(下) (新潮文庫)
歴史の知識として二人の戦いの結末を知っていながら興奮した。そして、改めて歴史ってドラマだなと思った。二人の天才が作り出した、最高の物語。ハンニバルのアルプス超え、スキピオの台頭、ザマの戦いの前のスキピオとハンニバルの会談。作り物が陳腐に思えるほど、名シーン、名セリフがたくさんあった。映像化したら、良質な映画が出来ると思ったのは、僕だけでしょうか。
塩野さん自身も述べられていたが、二人の天才が合間見えることって奇跡なんですね。ハンニバルの軍事的才能と、スキピオの人間的な魅力。これが結果的にダイナミックに歴史を動かした。歴史が英雄を生み出したのか。英雄が歴史を生み出すのか。そんなことを考えながら、カエサルの章を読んでみようと思う。