残念な人の仕事の中身 ~世界中の調査からわかった「組織で評価されない人」の共通点
いいですね、この本。タイトルは「残念な人の仕事の中身」で、ちょっとネガティブな入り方なのもあり、なぜあのひとはできないのかとネチネチと説教させるのかとおもいきや、見事に読者をとんでもない客観的な視点に誘ってくれます。
「知り合いの話しなんですけどね・・」と言った、見事な誰でもない人のケーススタディを利用して、実際に起きている事象について、'@上司の視点、'A同僚の視点、'B上司の上司の視点、'C自分の視点というマルチな展開で、それぞれがどのように思うか、そして不本意であれば、どのようにそれを避けることができるか、アドバイスを他の視点からくれます。
問題の解決に非常に有効だと思うのと、主観で捉えがちな解釈も、他の人からみるとこういうふうに捉えているのかと知れるのは新鮮です。特にこじれてしまったケースなどは、数年たって、それも居酒屋で始めてその人のキモチに気づくなんてことも稀ではないはずです。
そんな残念な経験をしたくなかったり、時間が解決してくれるといった猶予のない状況を抱えてしまった人に、オススメです!!
プレイヤーズ・ハンドブックIII (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版)
新パワー「サイオニック」を持つクラスたちですが、モンク以外は新しいクラスです。
ただ、人を選ぶかも。特にバトルマインドは趣味にもよるけど、使い勝手が悪そう。
新種族は、特に出しがら感が強いです。特徴的ではあるけど、どんどん人外になっていくと、あまりキャラクターに感情移入できなくなるのではないでしょうか。
The 12 Days of Christmas Anniversary Edition: A Pop-up Celebration
既刊の名作の10周年Anniversary版です。でも、ただの新装版ではなくて追加がすごい。大ボリュームの見開きが追加され、本の印象をずいぶん変えています。本文が白基調だったところに飛び込むフルカラーページにもかかわらず、全体のバランスを崩しているわけではありません(ネタバレになるので詳細は書きません)。また、本文中にもある「鳩のかご」が新作のオーナメントとしてオマケについているのもうれしい(本文よりやや小ぶりですが、飾れるように半身ではなく全周版です)。通常版より少し高いですが、これから買うならこちらをお勧めします。
ナッシュビル [DVD]
最初から値段が安いという心意気を買う。一部映画マニアにだけでなく、広く売れてより多くの映画ファンが本作の偉容に触れられることを期待する。
アルトマンは「マッシュ」は日本でも大ヒットした(リバイバル公開までされている)のに、本作あたりからヒットしない呪われた監督のイメージがつきだす(その後の「カリフォルニア・スプリット」「クインテット」「ヘルス」等々の作品はことごとく日本劇場未公開に終わる)。
本作などは絶対受けないと当初から思われていたのか、ロードショーは東京地区スバル座1館のみというトホホの扱い。小子は遥か立川の2番館(封切と同じぐらいの料金だが2本立て興行。もう一本は何だったか本作があまりに面白すぎて忘れた)にまで追いかけて最終回上映で見た(夜遅く中学生(いや高1だったか?)が立川から帰路2時間かけて帰るのには、かなり勇気が必要だったが)。
上映時間2時間40分、カラー・スコープサイズ。ロードショー公開時は見ていないから何も言えないのだが、2番館ではモノラル音声上映だった。しかし北米版DVDは5・1チャンネル音声で、音楽シーンを中心に音はしっかりサラウンドする。当初よりミュージカル映画を狙っていたのだから当然の仕様だろう。
本作は録音にはマルチトラックの特別の機材が使われたとされており、複数の登場人物たちが同時にいろいろなことを話す驚異的な同時録音撮影が行われている(その後のアルトマン映画の特徴にもなる)。したがって日本語字幕からでは完全には登場人物たちが何を言っているのかを理解することが不可能である。
本作の魅力はすでにマニアの方々のレビューに詳しいので敢えて繰り返さないが、多少は個人的感想を付け加えておこう。「ギャンブラー」で西部劇、「ボウイ&キーチ」でフィルム・ノアール(ギャング映画)、「ロング・グッドバイ」でハードボイルド(探偵映画)というハリウッドの王道ジャンルの脱構築を試みたアルトマンが次に選んだのが音楽映画(ミュージカル)だった。
それぞれの歌曲場面には、それを歌う登場人物やその人物と関わった周囲の人たちなどが織りなす心象風景が巧妙に照らし出されるような仕掛けがなされていて、通常のドラマでは描き得なかった重層的で複雑な人間感情の綾の描出までもが成功していた。ここが旧来のハリウッド・ミュージカル映画と全く異なっていた点だった。その歌曲の良さはアカデミー歌曲賞を受賞したキース・キャラダイン歌う「アイム・イージー」を始め、一聴して万人を聞き惚れさせるに足る名曲ばかり。もちろん小子はサントラ盤LP(国内盤)を公開当時購入、すり切れるほど聞いたのも今は昔である。
本作の成功でハリウッドでは一時、カントリーものがミニ・ブームとなった。「ロッキー」のジョン・G・アヴィルドセンもバート・レイノルズを主演に「W・W&デキシーダンス・キングス」という佳作を撮っている(同作もお蔵入りの挙句、日本では漸く、今はなき「自由が丘武蔵野館」での特別上映が行われた際に小子は見ることができた)。