Ciao!
各メンバーが持ち寄った意欲的な新作2曲ずつで構成されるこのアルバムは、かつての名作アニマルインデックスを彷彿とさせる。前作、Tokyo7からの流れを期待していた人は見事に裏切られる感じ。もちろん良い意味で。そうか、そうなんだよな。ライダーズ、思い起こせばいつの時代もそうだった。いつも、新しいロックの枠組みを教えてくれた。感動させてくれた。良い意味で、見事に期待を裏切ってくれた。今回の作品もそうだ。あまりに、情報量が多く、深く美しく、何回も繰り返して聴かないと正体が見えてこない感じ。渾身の魂を感じます。ただ、数回聴いた印象で言うと、かつての無国籍ミュージックを思い出させてくれる感じがする。誰もが未踏の土地に佇むように。しかし、いつも感じるのだが、各メンバーが各自で録音しているはずなのに、アルバムは最終的に[ムーンライダーズの音]に見事に収斂されている。アルバムの色はくっきりと出ている。赤いアルバムのようでもある。遂に一周した感じ。
今回のアルバムテーマはやはり、Ciaoという言葉に凝縮されていると思う。前向きなお別れって感じ。特にアナログ盤D面は、[ジャケットも含めて]ストーンズのMain Streetを思い起こさせる、秀逸な作品群。(おそらく、このD面を発展させるだけで、秀逸なアルバムができそうなくらい、テンションが高い!)音質はCD盤の方がすきですが、枚数限定だそうだけど是非、アナログ盤も聴いてほしいです。また、どの楽曲も良いと思うが、白井作Masque-Riderとラストを飾る、蒸気でできたプレイグランド劇場では、純粋に心に突き刺さります。PainRainや無垢なままでは、ついつい歌ってしまします。
大阪のライブもよかったな。新曲がこなれているとは言い難かったが、最初のミニアコースティックライブから、ラストまで限りない音楽への愛を感じた。ずっと歌った。ずっと笑顔だった。いまはただ、復活を祈りつつ、ムーンライダーズに対して感謝の言葉しかない。本当にありがとう。Beatles、BeachBoysとならぶ、世界最高峰のバンドとして、ずっと畏敬の念を持ち続けています。結局、売れなかったけど、ライダーズ好きな人は、本腰好きなんだなって思います。ライダーズを聞き始めた時期はみんなそれぞれなんだろうけど、ライブに行くと、なんか、同士のように思いますね。
SP 革命篇 DVD特別版
尾形の動機の浅薄さ(まぁ、私怨を大義にすり替えるなどありうるんだけどね)、そんなに官僚が優秀ならクーデターじゃなく、無血革命が出来るんじゃ?などの脚本の粗はあるものの、アクション映画として良作。単純に楽しんで観れる作品ですね。役者さんは非常に良い。演出も良し(あくまでもアクション映画としてね)。脚本は粗があるが、アクション映画として観れば無視してもいい範囲かと。議場突入シーンなどは近年の邦画の中では一番の名場面かも(まぁ、ジョンウーなんだけどw議事堂の外で鳩飛ばせば良かったのにw)。細かいことは言わずに楽しみましょうwだって、井上も笹本も尾形もかっこいいんだもんw役者さんの持つパワーが感じられる素敵な作品です。
アルテス Vol.1
「3.11と音楽」を特集にした、音楽を中心にしたカルチャー季刊誌の創刊号。3.11以降を対米戦争開戦の12.8以降と比較し、情報統制が行われている、民主主義崩壊の時代とする片山杜秀さんの分析を巻頭に置き、巻末は福島で、下北沢でアクティビスト的な活動を展開するミュージシャン大友良英さんのインタビュー。
そのほか、特集では原発の是非といった二元論での硬直を避ける細密な分析、音楽の責任といった強迫感から距離を置く、しなやかな考察がならぶ。
そのほかの記事もバラエティに富み、日本の神楽から、ワールド・ミュージックの現場・歴史を語るもの、現代音楽論、そして連載小説までならび、音楽にすごく詳しい人でなくても、全ページ読めるのではないかな、と思った。
次号の特集は「Appleと音楽」を予定しているとのこと。うーん、ちょっと狭くなっちゃって苦しいかも。まだ、時間は少しだけあるから、そこはもがいて素人でも読めるクォリティを保ってほしい。
リーダーシップ 6つの試練
潘基文・国連事務総長や先日ノーベル平和賞を受賞したサーリーフ・リベリア大統領を輩出するなど、世界最高峰のリーダー養成機関として名高いハーバード政治行政大学院(ケネディ・スクール)。やはり最も人気が高い授業は「リーダーシップ」だという。そして原書は、そのケネディ・スクールの授業で実際に使用されているテキストだ。
それだけ聞くと「アメリカ好みのマッチョなリーダーシップについて語られているのだろう」と思いがちだが、それは本書が提示する真のリーダーシップとは似て非なるものである。むしろ、「人々が現実に立ち向かい、自ら責任を持って考え行動できるようにすること、そうすることで人々自身が所属する組織や共同体の問題を処理し、有意義な進歩を遂げるようにすること」こそが"Real Leadership"だと定義される。本書では、そうしたリーダーシップをいかに発揮すべきか、逆に「紛い物のリーダーシップ」とは何か、が日本の明治天皇や西郷隆盛を含む豊富なケースによって具体的に解き明かされていく。
2011年3月11日以降、まさに日本社会は深刻な「試練」に見舞われた。筆者も「震災による被災地復興支援や原発対応という局面において、残念ながら日本社会は効果的なリーダーシップを発揮できていない。日本は切実にリアル・リーダーシップを必要としている」と指摘している。すなわち、危機に直面している日本にこそ本書で提示される「真の」リーダーシップが必要なのだ。
全てのリーダーを志す人に読んで欲しい一冊である。
初音ミク plays 月光下騎士団(ムーンライダーズ)
「青空のマリー」みたいにミクが歌ってシックリする曲もあれば「やっぱ、無理があるな」と思う曲もあります。
好きな曲でちょっと不安だった「くれない埠頭」は原曲のアンニュイな感じを上手く表現してくれて嬉しい誤算でした。
もっと本家みたいに捻ったミクの声が良さそうと思えるのも何曲か・・・
それではこのアルバムの一番のウリは何か?
それはこのアルバムのアレンジに尽きます。ジャズ風あり、ビッグバンド風あり、バラエティ豊かなアレンジ。
アルバム全体を通して「この曲をこんなアレンジするのか!」と驚かせてくれます。
これだけでも買った甲斐があったというもの。
選曲に関してですが活動歴が長いこのバンドのこと、
「これぞムーンライダーズ!」と思える曲は聴く方々にとってそれこそ星の数ほどあると思いますが概ね私は納得する選曲でした。
が、初音ミクに歌って欲しい曲と「MANIA MANIERA」が好きな私としては以下の曲を次回作(有るとすれば)としてリクエストしたいです。
・マスカットココナッツバナナメロン
・スカーレットの誓い
・マニアの受難
・Kのトランク
・夏の日のオーガズム
ジャッケット裏も知ってる人はニヤッとするイラストですね