スイス山岳列車の旅
「決定版」と言われるだけあり、両ペ-ジのカラ-写真が四季折々のスイスの大いなる魅力を物語り、ペ-ジを捲るたびに胸がわくわくしました。日本に居ながらにしてスイスに行ったと言っても過言は無いとおもいます。
スイスを代表するユングフラウ地域、高級リゾ-ト地サンモリッツ、そしてピラミッド状を呈する名峰マッターホルンを中心にその周囲に巡らされている登山鉄道についても案内がされています。普通のガイド本では沿線の鉄道について、詳細な記載が無いためこの本を読むとガイド本では知り得ないスイスへと誘ってくれることでしょう。
鉄道の案内に限らず車窓から見える山々の説明は勿論、太陽光線を考慮しての山岳風景の見方など、雄大な車窓を2倍3倍にして楽しむアドバイスはスイス鉄道のエキスパートならではと思いました。
巻末には、これらの鉄道を利用する実践編もあり、個人旅行を計画をする方の強い味方になることと思います。私もおさらいをし来年に向けて計画したいと思います。
東京メトロをゆく (イカロス・ムック)
本書は東京メトロについて歴史や運用など様々な面から解説するものです。歴史を解説する上で日本で最初の地下鉄を含む東京メトロについて建設の歴史の部分は欠かせません。レビュー者は最初の地下鉄が銀座線で開削工事(溝を掘って蓋をする方法)で建設された位は知っていましたが、「ウルトラC級メトロ建設史」で解説される内容(工事上の事故を含む)はとても興味深いものでした。都市土木やトンネル工事に携わる土木技術者にも是非、読んでほしい内容です。また、「東京メトロを「動かす」」の章も地下鉄を支える裏方の仕事を垣間見る思いで興味深い内容です。
なお、本書で解説される地下工事から東京の地下について興味を興味をもたれたら、秋庭俊著『帝都東京・地下の謎86』(2005年、洋泉社)を手にされることをお勧めします。
世界の蒸気 vol.3 ダージリン・ヒマラヤ鉄道(世界遺産・インド) [DVD]
昨今のテレビ番組では、めっきり減ってしまった感があるドキュメンタリ−タッチの映像がとても良いです。プロのカメラマンの撮影した映像なので、とても美しいDVDに仕上がっています。これなら、鉄道マニアならずともヒマラヤの山並みの風景をも楽しめるのでとても良いと思います。ナレーションは無く字幕による説明だけですが、背景にインド風BGMが流れ、旅情感を誘い、逆にゆったりと見れていいです。終着駅ダージリンまでの行程と、そこで暮らす人々の姿が鮮やかに描写されていて、とてもほのぼのとした気持ちになります。こういう映像は何回観ても楽しいですね。