火星夜想曲 (ハヤカワ文庫SF)
本書は全69章で構成されており、5~7P程度の短いエピソードが積み重なっていく方式を取っています。エピソードは次に繋がるものもあり、伏線にも何にもならず独立しているものもあり。ただしいずれもアイデアがみっしりと詰め込まれています。単純明快な物語ではないので、少し人を選ぶかも。ためしに第15章を読んでみて下さい。少しでも面白そうと思ったら買って間違いないでしょう。
科学的であり幻想的でもある不思議なエピソードのつらなりは、中盤以降唐突に一つの流れになります。この展開には賛否両論あるでしょうね。私は最初の方が好きですが、ラストでまたテイストが戻ってくるので、少しほっとしました。
エニウェア
カバー集ですがこのバンドの演奏力はやはり、ずぬけてます。ジョーのボーカルもいいですが石間さんのギターがかなりいけててファンなら絶対聴く価値ありです。内田さんらしいライナーノーツもあるしジャケットの写真もいいですねー。きちんとした音でかなり楽しめました。
スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)
最近このようなSFのアンソロジーがたくさん出てうれしい限りですが、出版社のページを見ても収録作が書かれていないものがあります。
アンソロジーなのに、ネットで収録作がわからないなんて信じられません。
この本の収録作は「SFマガジン」や編者のツイッターに書かれていたようですが、
「SFマガジン」は買ってないし、ツイッターでは見つけられませんでした。
このような時、私はいつも別の本屋さんのページで確認します。ただしそこは発売日にならないとリストがでませんが・・・。
ハヤカワさん、東京創元社の本はアンソロジーでも公式ページで収録作がわかりますよ。
以下が収録作です。
死がふたりをわかつまで(ジェフリー・A.ランディス)
技術の結晶(ロバート・チャールズ・ウィルスン)
グリーンのクリーム(マイクル・G.コーニイ)
キャサリン・ホイール[タルシスの聖女](イアン・マクドナルド)
ローグ・ファーム(チャールズ・ストロス)
引き潮(メアリ・スーン・リー)
脱ぎ捨てられた男(ロバート・J.ソウヤー)
ひまわり(キャスリン・アン・グーナン)
スティーヴ・フィーヴァー(グレッグ・イーガン)
ウェディング・アルバム(デイヴィッド・マルセク)
有意水準の石(デイヴィッド・ブリン)
見せかけの生命(ブライアン・W.オールディス)
普通じゃない [DVD]
巨大企業会社で清掃人をしながら、いつか小説家になることを夢見る気弱な青年ロバ―トは、ひょんなことからクビになってしまい、社長室に抗議する。ところが勢いでたまたま居合わせた社長令嬢セリーンを誘拐する羽目になっってしまう。ところが甘やかされて育ったセリ―ンは大変なじゃじゃ馬娘。怖がるどころかオタオタしているロバートに身代金の要求方法を教え、ついには銀行強盗までしてしまう。・・・
垢抜けない青年をユアン・マクレガー、お転婆な社長令嬢をキャメロン・ディアス、今や人気と実力を誇る映画スターとなった2人が送るラブ・サスペンス・コメディ!と聞いて期待していたけれど、設定はいいものの、なぜかロバートとセリーンが恋に落ちることはすでに天使の使命として決定づけられていて、この2人をくっつけるために2人の天使が派遣されて来る。ところがどう見てもこの天使、2人をくっつけるどころか邪魔しているようにしか見えない。どうでもいいから無理矢理くっつけようとして、全然2人の感情の発展にリアリティが見えない。個人的にはロバートがセリーンに小説家になりたいという自分の夢を語る場面が好きなので、あんな素朴だけどあたたかい場面がもっとたくさん欲しかった。せっかく豪華なキャスティングの割には、そんなに魅力は感じられなかった。ジャケットなんかカッコ良くて、いかにも「これは面白そう!」と思わせてくれる感じなのにね。もったいない。