ノルウェイの森 オリジナル・サウンドトラック
トラン・アン・ユン監督による村上春樹原作の映画化作品のサントラ。レディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッドが担当した室内楽風の穏やかなナンバーや、優美なオーケストラ・サウンドなどのほか、挿入歌に使用されているCANの楽曲も収録されている。
ハリー・ポッターと炎のゴブレット
ご存知の通り、過去3作において音楽を担当してきたジョン・ウィリアムズからパトリック・ドイルにバトンタッチされた。スコットランド生まれのドイルはイギリスを舞台に活躍し、知名度こそ低いものの中堅?映画音楽作曲家として30作品ほどを手がけてきた。日本でも知られる代表作としては『ブリジット・ジョーンズの日記』、『ゴスフォードパーク』、『ハムレット』、『カリートの道』など。オーケストラ主体の文芸作品にあう気品溢れる音楽を得意としている。
ジョン・ウィリアムズの音楽は人間ドラマよりもどちらかといえば冒険映画やファンタジーで魅力を発揮する。『ET』や『スター・ウォーズ』といったものだ(『シンドラーのリスト』などの名作もありますけどね)。確かに過去3作の『ハリー・ポッター』はファンタジーであり、キッズムービーであった。ウィリアムズの「ヘドウィグのテーマ」も雰囲気にぴったりだった。
しかし、ハリーが1年ごとに確実に年を重ねて成長するように、映画のテーマや雰囲気も変わり続ける。朗らかなファンタジーであった『ハリー・ポッター』はもはや終わり、恋や友情を学びながら、周囲から阻害され後ろ指を指されながらも自分の強敵と戦い続ける悲劇の少年の物語新生『ハリー・ポッター』の誕生である。そしてもちろん、音楽も物語にあわせて変化したというわけである。
劇中では「ヘドウィグのテーマ」はほとんど流れない。だが、少し大人びてそれでいて少し悲しげな美しい曲が映画を引き立てる。実のところ、ウィリアムズが降板したことに私は大変な危惧を抱いたが、ドイルはウィリアムズの後を立派に継いだばかりでなく、期待以上の仕事を成し遂げている。
また、新たな試みとして劇中やエンドクレジットでボーカルの曲が使用された。私はエンドクレジットでボーカルの曲を流されるのは好きではないのですが。その3曲はサントラにも入っています。
次回作の音楽は誰が担当するのでしょうかね?
CROSSBEAT (クロスビート) 2011年 02月号 [雑誌]
CROSSBEAT・2011年2月号です。
毎年のとおり、2月号は、編集部・ライターによる年間ベストアルバムが選出されています。
編集部・ライター、合計34名が選ぶベスト10が、各人ごとに掲載されているのは、Good!です。
また、2010年のLive in Japan、ニュース etcをザッと振り返る記事があります。
インタビューについては、
Jonny Greenwood (RADIOHEAD), VAMPIRE WEEKEND, MY CHEMICAL ROMANCE,
JONSI, THE FLAMING LIPS etcが掲載されていますが、文章は、大体、見開き2ページほどです。
全体の印象としては、「2010年の総括」が、かなりの量を占めており、
普段のCROSSBEATに掲載される、インタビュー、ディスク紹介、その他読み物 etcの量が、かなり少ない感じです。
また、カレンダーについては、「もうちょっと、いいショットは、無かったのか?」と、思います。
「2010年は、仕事etcで忙しくて、音楽はあまり手が回らなかった。。。」という人には、
2010年総括記事が、大量にあるので、「☆4〜5」くらいになると思います。
一方で、「音楽熱心な人」「普段からの読者」にとっては、物足りないと思います。「☆1〜2」くらいでは?
。。。ということで、中間とって「☆3」とさせていただきました。
Bodysong
時期的に見てAmnesiacやHail To The Thiefに通じる世界観と言えるが、やはり彼一人で作り上げた作品(コリンはゲスト参加しているとのこと)、レディオヘッドのオリジナルアルバムとはまた異なる響きを持っている。
サントラなので一定の制約はあったのかもしれない。でも、その中には彼なりの印象派に対する解釈、と言ったら大げさかもしれないが、レディオヘッドでは抑制していた(嫌々我慢したという意味ではない)であろうところから解放されて好きなだけ音を鳴らしまくっている感じ。気張らず聴けるストリングスやホーン類の美しい洪水にこそばゆいリズムがタッチする。
この後にトムやフィルもソロアルバム発表することになるが、やはりあのようなバンドでやっていくにはガス抜きも必要なのかもしれない。そう思わせる作品。