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北林一光 シャッター・マウンテン (角川文庫)

最後の最後まで手に汗握るようなホラー・サスペンス小説。北アルプスの漆沢渓谷で次々起きる自然の猛威と怪異…山小屋を営む田沼久作、渓谷のホテルを訪れた梶間夫妻、礒崎老人を中心に先の読めないドラマが展開していく。畳み掛けるように描かれる人間に対する自然の反乱の数々にSFなのだろうか、パニック小説なのだろうかと混乱するのだが、さらには心霊現象が描かれ、ますます混乱を極める。しかし、少しずつ真相が明らかになるにつれ、恐怖を感じながらも、混乱から解放された安堵感を覚える自分が居た…北林一光さんの作品に共通するのは、作中に描かれる迫力のある自然描写とそこから伝わる自然への畏怖と愛情であろう。本作は、北林一光さんの最後の作品であろう。デビュー作の『ファントム・ピークス』は夢中になって読んだ傑作だった。しかし、『ファントム・ピークス』の解説で北林さんの訃報を知り、まさか次作の『サイレント・ブラッド』が出版されるとは思わなかった。さらに本作の『シャッター・マウンテン』を読める喜びと驚きは、言葉で表現することが出来ない。 シャッター・マウンテン (角川文庫) 関連情報



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