リディックは、全宇宙の支配を目論む戦闘軍団の王
リディック ランキング!
デビュー当時から評判が高かった人だが,個人的にはなかなか食指が伸びなかった思い出がある。ジャケットに写ったむさ苦しく野暮ったいルックス。そのくせ“ミュージック・ソウルチャイルド”などとやけにスケールの大きな名前を名乗っていて,胡散臭く思えたからだ。ところが,「人を外見で判断してはいけない」とは,まさにこのことで,聴いてみると上質のソウル・ミュージックが満載されていた。そのデビュー作(2000年)から早や3作目。アルバムのリリース・ペースが2~3年に1枚というアーティストが増えている昨今のR&B界において,これはかなりのハイペースと言えるだろう。今回もタイトルは『Soulstar』と大きく出た。アルバム冒頭を飾る,そのタイトル曲はフィリー・ソウルの再現とも思えるメロウなミディアム。その後,愛らしいフレーズをループした「Youloveme」,スタイリティックスを思い起こさせるシタールを起用した「Womanopoly」と続き,ハイライトの1stシングル「Forthenight」。近々デビュー予定という双子姉妹デュオのエイリーズをフューチャーしたメロウでスムースなアップテンポである。この曲と,'70年代の香りを色濃く残す小粋な「Givemorelove/leaveamessage」が出色の出来。この他,ストーンズの「Missyou」をちょっとラフでグルーヴィーにカバーしたり,スティービー・ワンダー風の歌いっぷりが印象的な「Whereareyougoing」もいい。R&Bが「ソウル」と呼ばれていた頃の雰囲気に浸れる秀作。余談ながら本作はポータブルCDプレーヤー等ではなく,ステレオで聴いていただきたい。そうすると,今風のビートと,'70年代風のメロウなサウンドの微妙なバランスを気持ちよく感じることことができる。 ソウルスター 関連情報
前作から約10年の時を経て、まさかまさかの続編の登場です(前作は評価も興行収入も散々でしたしね)。前作では全銀河の征服を企む集団ネクロモンガーとの戦いが繰り広げられ、極寒のUV第6惑星や灼熱のクリマトリアなど様々な惑星を舞台になるなどスケールも大きく、エレメンタルや半死人といった亜人種族も多数登場するスペースオペラ大作でしたが、今作は不毛な惑星からの脱出がストーリーであるため、前作に比べると非常に地味です。しかし、リディックを追う曲者揃いの賞金稼ぎ達や、凶暴なクリーチャー、スピーダーの様な乗り物など、重厚なスペースオペラ要素はしっかりと押さえており、何よりも、宇宙一の悪党リディックというキャラが存分に描かれています(前作では悪のイメージが微妙でした)。元々リディックというキャラは、演者であるヴィン・ディーゼルが超お気に入りと言うことで、キャラクターが一段と光る内容になっています。ヴィン・ディーゼルファンは絶対に見逃せない作品です。不毛な惑星からの脱出のために2つの賞金稼ぎグループを呼び寄せ、そいつらに姿を見せずに一人、また一人と始末していく。自らのねぐらに誘い込ませたり、仲間内の不信感を焚き付けたりするなど、「悪」と呼ぶに相応しいリディックの姿が見られます。しかし、ネクロモンガー達が冒頭の回想でしか出てこなかった点は残念でした。ストーリーの流れからすれば、何か絡んでくることは間違いないはずだし、回想シーンのその後の様子も分からぬままでは非常に気になる。そこら辺も次回作に期待ですね(いつになるかなぁ)。ともかく、興行的に失敗だった前作から続編を出してくれたことに製作陣に感謝。特に、自分の資産を売却してまで製作に踏み切ったヴィンには大感謝です。 リディック:ギャラクシー・バトル [DVD] 関連情報