チベットから来た男 世界探偵小説全集(22)
チベットに興味を持つ富豪が、自宅にある趣味で集めた品々を陳列してあるチベット美術室で殺される。場所はチベット密教の恐怖の死神、夜摩天の像の前、しかも美術室は密室状態だった。無断で邪まな心を持ったまま、密教の秘儀を行った報いなのか・・・。密教や秘儀や呪いといったものが、事件の謎や周りの雰囲気を盛り上げていて、読んでいてゾクゾクしてきます。この殺人事件が起こるのが物語も中盤を過ぎたころ、それまでは(もう一件殺人事件が起きますが)これでもかとばかりにチベットやチベット密教に関する記述にうめつくされています。これが「西洋人の描くヘンな東洋」ではなく、探検家の語るチベット探検紀行などとてもおもしろい。登場人物も殺された男をはじめ、考古学者にして探検家でチベットに造詣の深いその弟、チベット人の秘書、チベットからきたラマ僧と、徹底的にチベットにこだわっています。巻頭に載っている参考文献を見ると、作者はよくよくチベットについて調査したんだろうな、と頭が下がる思いがします。たかがミステリ、されどミステリ、そのこだわりと意気込みや良し!「不思議の国チベット」に彩られた雰囲気、事件の不可思議な謎とその論理的な解明、魅力的な探偵といいとこだらけなんですが、ただ一つの難点は殺人の方法、あんなこと本当にうまくいくのだろうか?ちょっといただけませんでした。巻末の解説には、著者の著作リストと概要が載っているんですが、そのほとんどが真っ向勝負の本格ミステリらしく、あらすじだけでどうしても読んでみたくなります。こんな人の心をくすぐるような解説を載せたのですから、出版社は責任をとって全作翻訳出版してください!
チベットから来た男 世界探偵小説全集(22) 関連情報
見下すことからはじめよう
この本はニコ生の山田玲司のヤングサンデーを見てる人にとってはとてもいい本です。手元に置いておきたい一冊です。
見下すことからはじめよう 関連情報
空から降ってきた男:アフリカ「奴隷社会」の悲劇
取材が綿密になされているので、写真は一切ないが情景を想像できる。おすすめです。
空から降ってきた男:アフリカ「奴隷社会」の悲劇 関連情報
年上の義務 (光文社新書)
この本は「愚痴らない」「威張らない」「ご機嫌でいる」そんな人生を送れているか?と年上だけではなく、全ての世代に問い掛けてくれる。私にとって人生の指標としたい哲学だ。警告としてではなく、年上の人にそっとこの本をプレゼントしたい。そんなギフトを送り出してくれた著者の山田玲司先生に感謝。
年上の義務 (光文社新書) 関連情報
イギリスから来た男 デラックス版 [DVD]
原題は『The Limey』イギリス人、イギリス野朗など口語表現。『イギリスから来た男』という邦題は結構好きです。「で、どうなんだ」という疑問を持って映画に入りやすいタイトルです。 キャスティングがテレンス・スタンプとピーター・フォンダというスターでありながら渋い取り合わせで映画に見事マッチしていました。スタンプの渋い演技にしみじみと感動しました。 音楽のとりあわせもザ・フー、ステッペン・ウルフ等往年のスターの曲がストーリーに効果的に使われています。決してはでな映画ではありませんが、しみじみとハードボイルドを堪能したい人にはお薦めいたします。
イギリスから来た男 デラックス版 [DVD] 関連情報