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レイ・チャールズ 異端の数ゼロ――数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

 本書の第0章(!)に著者が書くとおり、「ゼロが古代に生まれ、東洋で成長し、ヨーロッパで受け入れられるために苦闘して、西洋で台頭し、現代物理学にとって常なる脅威となるまで」の、「ゼロの物語」です。 この手の本ではいつもそうなんですが、文系人間にとっては相対性理論や量子論、ひも理論なんかに絡む部分は、やっぱり何となくしか分からない。それは仕方ないとして、ゼロ概念がアリストテレスの思想やキリスト教の縛りを解き放って広まっていく部分は、思想史の問題として十分に楽しめた。実際、本書の半分以上がこの叙述に割かれているんで、「ゼロの思想史」みたいなタイトルでも違和感ない。 あと、余分なことですが、ゼロという言葉の起源がアラブ人の使ったsifrだという説明がp85にあって、そういえば著者の名前がSeifeなんですよ。似てるでしょ。トンデモな関係付けでしょうけど、著者の名前と研究テーマって、時々偶然とは思えない一致をするんですよね。 異端の数ゼロ――数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) 関連情報



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