聴き慣れた曲ばかりですが、当時の綺麗な記憶を呼び起こしてくれます。色々なアレンジが無い原曲ですから。 かぐや姫ベスト 関連情報
やりたいこと。友だち。恋人。どんな人も、最初は何も持っていない。 何も持っていない期間をめいっぱい噛み締めた後に、何かを得ようとする瞬間。新しい世界が開けるときのワクワク感。 各短編ごとに主人公は違うけれど、大学という舞台で世界がつながっています。各主人公が、変化を予感させたところで、次の物語にバトンが渡されます。次の短編では前の主人公が、変化した形で登場していたりします。 文章も読みやすかったです。学生独特の、大人と子どもが混在する心もようが瑞々しく描写されます。 男心女心共に、素直に表現されていて、違和感なく読めました。 「雨にとびこめ」・・・ ニブチンに見える男子も、好きな人が自分をどう思っているか、実は敏感に察知していたりするかも・・・。そんな心の機微が現実味を持って感じられます。 準くんの「相性が合わないから」は、さっぱりしていてあとくされがない別れの言葉ですね。 「どこまで行けるか言わないで」・・・夢と友情、どちらをとるか。犠牲を払って前進した奥村と、喪失そのものが獲得することだった香純たち。どちらの立場にも寄り添うように描かれていて、好感が持てますね。 「いちごに朝露 移るは空」・・・上京したての中野さん。初めて孤独な夜を迎えた時の心持はきっと、普遍的な感情。小道具として政治ネタが使われるけれど、それが前に出過ぎず、その辺のサジ加減も巧いです。 危うさと、凛としたマイノリティを併せ持つ緑先輩が、かっこいいです。 神田川デイズ (角川文庫) 関連情報